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ワークショップ卒業公演を終えて

去る2月17日、甲斐ファクトリーの第一回ワークショップの締めくくりとしてお披露目公演を致しました。 二郎役をさせて頂きましたGON!!と申します。

このワークショップに参加させて頂くまでは完全に見る側の立場でして、演技というものに触れたのは小学生の学芸会くらいのもの。完全に素人の状態で参加させて頂きました。

稽古が始まった当初は、腹式呼吸や身体の動かし方、表情筋の運動などからスタートし、まずは己の体力の無さを痛感するところから始まりました。 その後も、黙劇、エチュードなどを体験させて頂き、思い通りに動かない身体と、思い通りに伝わらないもどかしさ、『演技』の難しさというものに直面しました。

その都度、指導をして下さった山崎さんとトラ丸さんに、直接動きや表現方法などを見せて頂き、それをトレースする事すらままならない現実に四苦八苦するばかりでした。

しかしながら、素人相手の指導でも全く手を抜く事無く誠実に教えて下さるベテランの方の姿を見せられる中、一つでも取りこぼしの無いようにと、必死で過ごすレッスンの期間はとても充実して楽しいものでした。

年が開け、今度は実際にお客様の前で演じる台本を頂いた時、ワクワクした気持ちもありましたが、正直自分にこなせるものかと不安の方が大きかった。 まず、なにしろセリフが覚えられない。 セリフを覚えた頃には、まだ覚えていない箇所の稽古がはじまる。

また覚えなければいけない。

覚えられない。

そんなループで目まぐるしく過ぎ去る時間は本当にあっと言う間でした。

そして、その次には、覚えたセリフに適切な動きを付けていかなければいけない。

動きに集中するとセリフが出てこない。

セリフに集中すると動けない。

そんなもどかしさと葛藤だけで過ぎた数週間でした。公演まであと数日というところまで迫った日には、まだ全く完成はしていなくて、恐怖とも言えるような焦りばかりが募る状況でした。

素人が遊び半分で参加したものだとは思われたくなかったので自分なりには頑張っていたつもりですが、それでも足りない事が多過ぎると、不安でした。

そして公演当日。 正直、初めてお客様が並ぶ景色を見た瞬間、完全に舞い上がってしまってその後自分が何をどうしてどうなったのか、実は全く覚えていません。 気付くと終わっていました。

ラストシーンで二郎が川を見つけるシーンがあるのですが、その前の今日子ちゃんの独白のあたりから感極まってしまって、カーテンコールでは声が詰まってしまってお礼の挨拶の発声もままならない状況となってしまい、いらして下さった皆様には大変失礼を致しました。

関係者として、またはお客様として、色々なかたが関わって下さりとても感謝しています。

お越し下さった方、応援して下さった方、ご指導下さった関係者の皆様、本当にありがとうございました。

演劇に強いプライドと、そして責任を持って携わる方々の中で、内側からお芝居の世界を見る事が出来たのは自分にとってとても貴重な体験となりました。 このワークショップに参加して本当に良かったと思っています。

さて、甲斐ファクトリーはこの5月に下北沢のOFF・OFFシアターにて、本公演『連鎖の教室』の公演を予定しております。 こちらの公演は、先のワークショップで披露した素人も含めたチームプレイをお見せするのではなく、皆が個々のプロ意識を持ち寄り、スタンドプレーを集結したチームワークによって創り上げるタイトルになると確信しております。

僕はと言えば、演者としてのコミットは一旦棚上げとし、主にWeb側や雑務など裏方として甲斐ファクトリーに所属させて頂く事となりました。

今回足をお運び下さった皆様も、また、何かのご縁で関わって下さった皆様も、是非また、甲斐ファクトリーの舞台へとお越し下さいませ。 関係者一同、心よりお待ち申し上げております。

本当にありがとうございました。

<オマケ> 昼公演と夜公演両方にお越し下さった方にだけお楽しみ頂ける、ちょっとした裏話を一つ

博士が二郎に話しかけた瞬間にスローモーションへと切り替わるシーン。 夜の部では「キーン」っていう効果音が入っていたのにお気づきになりましたでしょうか? 実はあの音、昼の部が終わってから「やっぱ音欲しいよね?」的な事になり、時間も差し迫っている中、急遽、必死で探し出したSEだったりします(笑) まぁそのおかげで、音探しに没頭するあまり緊張しながら過ごす時間が少なくて済みました。 的な後日談です

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